日本が高度経済成長に沸く昭和40年代の、東京の下町にあるアカシア商店街で起こる不思議なことについて語った連作小説。
この頃は、そこらじゅうで古い日本と新しい日本が混ざっていた。テレビが白黒からカラーになり、自動洗濯機が普及し、ダイアル式電話機が各家庭に行き渡った。その一方、街には異界との通り道が残っていた。この物語は、その異界との通り道のことを描いている。
いくつかの謎が提出され、それらが最後に解決される。かといって、これをミステリーと言っていいかどうか。昭和40年代を知っている人にとっては、優しくも悲しい、そして懐かしく思う物語。あの頃は、すぐ隣に異界があることをみんな知ってたんだよなあ。
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