なかなかやんのきまぐれブログ

世の中は面白いことでいっぱいだ

ムシカ 鎮虫譜 井上真偽 実業之日本社

投稿日:

パニックホラー×本格ミステリ×青春冒険小説で超弩級エンタメという帯の煽り文句につられて購入。

スランプに悩む音楽大学の同級生グループが夏休みに訪れたのは瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島「笛島」。そこには霊験あらたかな音楽の神が祀られているという。
しかし、上陸し神社をお参りする彼らを待ち受けていたのは、なぜかカメムシの大群だった。さらにカマキリ、スズメバチ、ムカデ、そして……。
次々と襲われる彼らの危機を謎の巫女たちが救う⁉
虫がなぜ人を襲うのか、そして、虫の怒りを鎮める音楽「鎮虫譜」の真実とは?

ちょっとなんでも突っ込みすぎちゃったかな。虫たちの描写がもうちょっとグロテスクでも良かったし、ミステリとしては設定そのものに既視感がある。大学生たちの夏休みのバカンスでの話だから、まあ、青春小説ではあるんだけど、それぞれが抱えている心の傷を解消していく様がお気楽すぎるかな。音楽と生き物をリンクさせるというのは魅惑的なアイデアではあるけど、説得力は無かった。

これだけ書いといて言うのもなんだけど、でも面白い。なにせ読みやすいし、キャラクターが立ってるだけに各登場人物への入り込みも容易。ちょっと先の読めそうなストーリー展開もわざとそうしてるんだろうし、すいすい読み進めれる。

これは実写化するんだったら是非見たい。できたら圧倒的な虫の映像付きで。あと、ゆるい感じのアニメでも合いそう。

この作者は「その可能性はすでに考えた」が面白かったのでちょっとハードルが上がっちゃいましたが、これも普通に面白いと思います。

-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

重力とは何か 大栗博司 幻冬舎新書

面白かった。相対性理論から量子力学、超弦理論までを平易に解説してくれます。それぞれの理論の概要をつかんでおくとより理解が深まるんですが、難しい数式がいっさい出てこず、巧みな例えと随所に出てくる科学者の …

プラナリア 山本文緒 文春文庫

カバーに「現代の『無職』をめぐる心模様を描いて共感を呼んだ」と書いてあるが、ワーキングプアの話ではない。確かに五編の短編の中で共通するのは『無職』だが、作者はこの言葉で何かを象徴しようとしていない。あ …

そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 文春文庫

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。 その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。 血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う …

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉 河出文庫

和泉努と妻鹿年季子の夫婦脚本家のユニット名の木皿泉による連作短編集。 テツコは、夫の一樹に25歳の若さで先立たれてからも、一樹の父のギフと暮らしている。義父だからギフ。忘れなくてもいいものもあるはずだ …

カラフル 森絵都 文春文庫

思いの外一気に読んでしまいました。 誰もが思春期に感じていたことを、ちょっと風変わりな形で描いた青春小説。カバーに「老若男女に読み継がれる不朽の名作」とあって、ちょっと振りかぶりすぎかもとも思ったが、 …

ブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村←良かったらクリックしてください

ブログランキング


人気ブログランキング←良かったらクリックしてください

アマゾン検索