パニックホラー×本格ミステリ×青春冒険小説で超弩級エンタメという帯の煽り文句につられて購入。
スランプに悩む音楽大学の同級生グループが夏休みに訪れたのは瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島「笛島」。そこには霊験あらたかな音楽の神が祀られているという。
しかし、上陸し神社をお参りする彼らを待ち受けていたのは、なぜかカメムシの大群だった。さらにカマキリ、スズメバチ、ムカデ、そして……。
次々と襲われる彼らの危機を謎の巫女たちが救う⁉
虫がなぜ人を襲うのか、そして、虫の怒りを鎮める音楽「鎮虫譜」の真実とは?
ちょっとなんでも突っ込みすぎちゃったかな。虫たちの描写がもうちょっとグロテスクでも良かったし、ミステリとしては設定そのものに既視感がある。大学生たちの夏休みのバカンスでの話だから、まあ、青春小説ではあるんだけど、それぞれが抱えている心の傷を解消していく様がお気楽すぎるかな。音楽と生き物をリンクさせるというのは魅惑的なアイデアではあるけど、説得力は無かった。
これだけ書いといて言うのもなんだけど、でも面白い。なにせ読みやすいし、キャラクターが立ってるだけに各登場人物への入り込みも容易。ちょっと先の読めそうなストーリー展開もわざとそうしてるんだろうし、すいすい読み進めれる。
これは実写化するんだったら是非見たい。できたら圧倒的な虫の映像付きで。あと、ゆるい感じのアニメでも合いそう。
この作者は「その可能性はすでに考えた」が面白かったのでちょっとハードルが上がっちゃいましたが、これも普通に面白いと思います。