単行本で気になってたのが、文庫になったので購入。
軽妙な文体に時折グロテスクな強い言葉を挟みながら、人間の本質を突いていく。コンビニを題材にしているが、現代に特有のものではなく、生物として特異なものとなってしまった人類の永遠の課題を扱っている。
物事を解体して表現する手法に、さして目新しさは無いが、作者はそれを既に技術として手中にしている。飽くまでも描きたいのは人そのもので、たまたまその手法をとっているだけの気がする。童話を書いたりしないのかな、この作者。読んでみたいな。
かなり巧妙な作品。深みもあります。簡単に読み終えてしまうのがもったいない一冊。
価格:638円 |