「牧神の午後への前奏曲」「ピアノのための前奏曲集」「ペリアスとメリザンド」などで大作曲家に上り詰めたドビュッシー先生。
実はわりとダメな大人で、結婚してるのに他の人の奥さんと駆け落ち。しかも、捨てた奥さんがピストルで自殺未遂を起こしちゃう。で、ゴシップ好きのフランスマスコミに叩かれて逃げてるくせに、呑気にコルシカ島沖の綺麗な海を描いた曲を構想。それがこの曲。なにやってんだか。
そんな経緯に関わらず、曲はまったくもって素晴らしい。ドビュッシー独特のハーモニーに全曲を統率するモチーフ操作。天才の技とはまさにこれですね。
この曲でドビュッシー先生、中央楽壇に返り咲きます。前の奥さんとは離婚して、一緒に逃げた人と結婚しちゃいます。呆れて物が言えません。
一番最初に聴いたディスクはセル指揮クリーブランド管弦楽団。もちろんレコードの時代。端正で精緻な演奏は、1963年録音という古さを感じさせません。このディスクに一番最初に出会ったというのが幸運でした。
次に聴いたのが、バレンボエム指揮パリ管弦楽団。やっぱりフランスのオケで聴かなくちゃと思って買ったんですが、細かいところをつめて組み立てるよりも大枠を作る演奏とでもいうのか、ちょっと肌に合いませんでした。カラヤンとかデュトワとかが好きな人なら合うんでしょうね。演奏自体はさすがパリ管、豪華絢爛です。