初演時にあまりにも衝撃的だったので、客席で暴動が起きそうになったのは有名な話。いわゆる現代音楽の範疇に入る曲だけど、今聴くとわりと普通。というか、カッコイイ。
編成が大きいわりに、マーラーの偏執狂みたいな部分が無くて、スコアを見てもすっきりしてる。バレエのために作曲されたこともあって展開もドラマチック。もちろん復調や多調が用いられてるので不協和音の嵐だけど、現代音楽の入門としては良いかも。
おすすめのディスクは、緻密さと格調高さを併せ持つといえば右に出るものがいないクリーブランド管弦楽団を、徹底的なアナリーゼで「スコアのすべての音が透き通るように聴こえる」という奇跡の演奏を見せつけるブーレーズの盤。
ブーレーズとは全然違った魅力を持ってるのがドラティ指揮デトロイト交響楽団の盤。昔は名盤の評価だったんですが、録音が古いせいか最近はとんと見かけません。でもいいんですよ、これ。ブーレーズみたいな冷静さは微塵もありません。とにかく熱い。一部の「敵の部族の遊戯」や「大地の踊り」とかでは金管楽器が突っ走りまくりで、弦と一拍ずれちゃったりしてます。でも、かっこいいんだよなあ。ぜひご一聴を。